前回、一棟不動産投資の失敗例を紹介しましたが、この失敗を回避するにはどうすればいいかを解説します。
まず、ベストなのは自分の地元で投資物件を探すことです。自分の地元であれば状況はよく理解できているはずですので、物件のある場所で駐車場が必要かそうでないかを判断するのは容易でしょう。
ただ、私は都内出身だからそんなことはできない!という方もいらっしゃいます。その場合は最寄り駅の一日の延べ利用者数から判断するのがよいでしょう。一日数百人程度の利用者数なら駐車場がいると判断すべきです。
1000人を超えていれば、実際現地に行って駅前にある地元の賃貸紹介業者などに実際に確認をします。聞き方としては、物件の住所を伝えてそのあたりで駐車場は必須か確認するだけです。
なお、くれぐれも延べ利用者数だけで「駐車場不要」の判断はしないでください。駐車場不要の判断は現地を確認して行いましょう。
物件購入の経験もなく手元資金も乏しい人は、地方のユニットバス物件を購入するのはあきらめましょう。少なくとも、そのユニットバス物件を買ってよいか判断できる情報が何?それを持っている人は誰?をすぐ思いつける・探しに行けるレベルに達してから検討するようにしましょう。
返済比率を5割前後、多くても6割未満に抑えましょう。返済比率とは毎月のローン(元本+利息)返済金額を毎月の家賃収入で割った数字です。この数字であれば空室や突発的な修繕があっても対応は可能だと思われます。
提案の時点で返済比率が6割以上なら、物件の購入をあきらめる勇気が必要です。
物件のある現地の確認は必ずしましょう。写真が古い場合もあります、写真だけの情報を鵜呑みにするのはリスクが高いといえます。
購入しようとしている物件が入退去の激しそうな物件かそうでないかは、過去3~5年にわたる物件各部屋の賃貸状況を売主(仲介業者)に要求し、確認するのがベストです。それだけで出入りが激しいか、客付けにどれだけ時間がかかるかがわかります。
また、お客の入れ替わりのたびにリフォームが必要かどうかを確認すること、リフォーム代が必要であれば費用負担はどうするのかを購入前に明らかにしておきましょう。
そもそも短期の入居者に対してリフォームが必要なほど部屋の状態が悪くなるようであれば、それは入居者責任です。費用負担の部分はあらかじめ入居者と結ぶ契約の中に明記をしておかなければなりません。
広告費については、賃貸紹介会社にその地域の相場を確認するのがよいでしょう。客付けが困難な地域であれば、相当の広告費が必要になります。過去の賃貸状況と照らし合わせて年間にかかる費用を算出し、収益を圧迫するほどの費用になるなら物件購入を見送ることも必要となるでしょう。
物件価格が安い、利回りが高い、立地がいい、とても良い条件の物件でも上に書いたようなことが当てはまってしまう物件は多いです。
上に書いた理由で物件をあきらめなければならなくなってしまうことはとても残念なことですが、物件を購入した後、それを管理運用していくのはほかでもないあなたです。
後になって費用が賄えない、赤字になって持ち出しが発生した、となってもどうにもなりません。
あきらめるときはあきらめて次の物件を探すようにしましょう。